日々の営業や内勤、給与振込などのルーチン化した業務を改善したい。
しかしそうした定常業務こそ、どの点を改善したらよいか、誰に何を伝えれば現場の仕組みを変えられるのか、日々の仕事に追われて考える時間がとれずに、対策を打てないまま時間が過ぎてしまいがちです。
そんな時は、業務改善をプロジェクト化してみましょう。

プロジェクトとは「目的を期限内に達成する活動」、定常業務は「期限を定めることなく継続して行う活動」のこと。
一見相反するようにも見える定常業務とプロジェクトですが、定常業務を切り出してプロジェクト化することで、業務改善に取り組むことができます。この記事では、定常業務の問題箇所を切り出して、期限を付けてプロジェクト化し、業務改善するまでのプロセスを解説します。
定常業務をプロジェクト化して業務改善

定常業務から「目的」と「期限」を定めるとプロジェクトになる

プロジェクトとは、問題を解決することを目的に期限を設定した活動のことをいいます。
日々の業務も、何をどう改善したいか=「目的」と、いつまでに改善したいか=「期限」を定めることで、定常業務からプロジェクトを切り出すことができます。
(関連記事:プロジェクトってなんだろう?

目的を定めるために、「あるべき姿」を設定する

定常業務を切り出してプロジェクト化するには、まずメンバー間で「あるべき姿」を合意します。この「あるべき姿」と「現状」の差が「問題」となります。この「問題」を解決することをプロジェクトの「目的」として設定します。
(関連記事:「問題」と「課題」はどう違うんだろう?

この「目的」を担当・期限を設定できる単位に細分化(=課題)し、課題をすべて解決することで、プロジェクトの目的が達成されます。

プロジェクトの成果を定常業務に組み込むことで「あるべき姿」に近づく

このようにして得たプロジェクトの成果を定常業務に組み込むことで、メンバー間で合意した「あるべき姿」により近づいた定常業務が走り出すことになります。

なお、プロジェクトで得た成果物は、段階的にリリースしていく方法、プロジェクトを最後まで達成した段階で一斉リリースする方法など、それぞれの現場の性質に適した方法で定常業務に適用していきます。

【具体例】プロジェクトマネジメントを用いて定常業務を改善する

これまでご説明した定常業務とプロジェクトの関係を具体例で振り返ってみましょう。

あるカスタマーサポートセンターには、1日に150件の問い合わせがあります。しかし、現状では1日1人当たり10件を担当するのが限界。スタッフは10名なので、合計で1日100件のみの対応にとどまっていました。そこでこのたび、1日150件の問い合わせに対応するため、定常業務をプロジェクト化して改善することになりました。

この場合、「あるべき姿」は1日当たり1人15件対応すること。「現状」は10件なので、あと5件の対応ができていない点が「問題」となります。そこで、1人当たりあと5件対応件数を増やすことを目的に、期限を半年と定めてプロジェクトをスタートしました。

1人当たり5件分の対応を増やすにはどうしたらいいか、問題を細分化すると以下のような課題が洗い出されました。

  • お問い合わせに対するテンプレートがないため返信に時間がかかる
  • お問い合わせ内容の履歴が分類されていない
  • 過去にどんな問い合わせがあったか情報の共有(データベース化)ができていない
  • データベースに入力するマニュアルをつくる必要がある
  • プロジェクトでできあがった成果物がうまく現場に反映できるか確認作業が必要(=レビュー、テストをする必要がある)

こうして課題を洗い出したら、解決策をタスク化します。これらのタスクを実行し、課題を解決することでできあがった成果物を定常業務の現場に戻すことで、業務改善を促します。

例えば、上記の例では課題解決策をタスク化し実行することで、「お問合わせに対するテンプレート」や「お問い合わせ内容が蓄積されたデータベース」が成果物としてできあがり、その結果一人当たりのお問い合わせ対応数が10件から15件へと増え、目的を達成できることになります。

まとめ

  • 定常業務の問題箇所を切り出し、定常業務とは分けてプロジェクト化することで、日々の業務に追われて後回しになりがちな業務改善に取り組むことができる
  • 定常業務から「目的」と「期限」を定めるとプロジェクトになる
  • プロジェクトの成果を定常業務に組み込むことで「あるべき姿」に近づく

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