「課題」と「問題」、どちらも同じような意味合いを持つ言葉ですが、プロジェクトマネジメントにおいては異なる性質を持っています。今回は、「問題」と「課題」の違いを解説します。

「問題」とは“あるべき姿”と“現状”の差のこと

「問題」とは“あるべき姿”と“現状”の差のことをいいます。
例えば、A社では社員の残業時間が月平均で40時間となっており、ライフワークバランスの充実を求める社員と残業代のコスト削減を目論む会社側が一致して、残業ゼロを目指すことになりました。
この場合、

  • 現状=残業が月平均で40時間
  • あるべき姿=残業時間がゼロ

ということになり、“あるべき姿”と“現状”の差である40時間の残業時間が「問題」となります。
問題とは「あるべき姿」と「現状」の差のこと

問題を解決することを目的に期限を設定した活動が「プロジェクト」

上記の例のA社では、月平均40時間の残業時間が「問題」と認識され、残業時間を3年かけてゼロにしようという期限を設定しました。このように「問題を解決すること」を目的に、期限を設定した活動をプロジェクトといいます。

「問題」を見つけるには“あるべき姿”を描くこと

A社では“あるべき姿”を「毎月の残業時間ゼロ」であると認識することで、「月40時間の残業時間」という「問題」を導き出しました。同じように月平均40時間の残業を改善したいと思っているB社では、社員と会社側で「月10時間までなら残業しても問題ない」という合意がとれています。この場合、B社の“あるべき姿”は「残業時間が月10時間まで」で、「問題」は「残業時間が月30時間も超過している」ということになります。

このように、 “あるべき姿”は立場によって変わります。同じ体脂肪率25%でも、一般の30代女性にとっては「これがわたしの“あるべき姿”」かも知れません。しかし、20代男性アスリートであれば「体脂肪率を10%まで落とさなければ。あと15%減らした体脂肪率こそ自分の“あるべき姿”だ」となるのです。

「問題」を設定したにもかかわらずうまく解決できない、そもそも「問題」が把握できていないという場合には、まずあなたが、あなたの立場で目指す“あるべき姿”がどんなものか、きちんと描いてみましょう。

「問題」を担当・期限が設定できる単位に分解すると「課題」になる

“あるべき姿”と“現状”の差から「問題」を導き出したら、解決のために問題を担当・期限を設定できる単位に細分化する必要があります。「問題」はそのままでは単位が大きすぎて解決が難しいためです。
このように、「問題」を担当・期限が設定できる単位に細分化すると「課題」になります。
「問題」を担当・期限を設定できる単位に分解すると「課題」になる

「課題」を全て解決できればプロジェクトの目的は達成される

ふたたびA社の例で考えてみましょう。
“あるべき姿”が残業ゼロだが“現状”は40時間であるという問題を解消し、期限内にプロジェクトの目的を達成するためには、問題から課題(担当・期限を設定して解決できる単位)に分解する必要があります。

  • 物理的に業務量が多い
  • 上司が定時に帰らないので雰囲気的に帰りづらい
  • 会社の勤怠管理システムのルールが整っていない

こうした課題を解消するためにタスクを洗い出し、ひとつひとつ完遂していくことで問題が解消=プロジェクトの目的が達成されます。

課題を全て解決したはずなのにプロジェクトの目的が達成されない(=問題が解決しない)場合は、見逃している課題がないか、問題を細分化しきれているか、タスクから課題に、課題から問題に立ち戻って原因を分析します。

まとめ

  • 「問題」とは“あるべき姿”と“現状”の差のこと
  • 「問題」を担当・期限が設定できる単位に細分化すると「課題」になる
  • 「問題を解決すること」を目的に、期限を設定した活動がプロジェクト
  • 「問題」を見つけるには“あるべき姿”を描こう
  • 「課題」を全て解決できればプロジェクトの目的は達成され「問題」が解決する

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