もの(成果物)を作るイメージ
プロジェクトマネジメントの大切な機能のひとつが「成果物管理」です。

では、そもそも「成果物」とは何でしょう?
「成果物」を辞書で引くと、以下のように書いてあります。

せいかぶつ【成果物】
ソフトウエア開発やシステム開発において、プロジェクトの全体または一部の工程が完了したときに成果として完成した納品物、プログラム、仕様書・設計書などの文書類のこと。
(出典:デジタル大辞泉

成果物とは「タスクが完了した成果」

成果物とは、「工程が完了したときに成果として完成した文書類のこと」のようです。
「工程」とは、課題管理の中で言うと「タスク(作業)」にあたりますね。
辞書では「ソフトウエア開発やシステム開発以外の分野において」と定義されていますが、「タスクが完了したときに成果とした完成したもの」という意味では、他のビジネス分野や日常生活でもあてはまるものがあるのではないでしょうか。
企画提案のために作られる「企画書」や、日常を書きとめた「日記」、毎日の収支を記録する「家計簿」などです。
文書に限らず「タスクが完了した成果」という意味では、調理の結果できる「料理」、色を塗った結果できる「絵画」なども、成果物と呼ぶことができるでしょう。
このように「ものを作る」というタスクの成果として「もの(成果物)」ができるという一連の流れは、イメージがつかみやすいのではないかと思います。

「ものを作らないタスク」に成果物はあるか?

では、「ものを作る」以外のタスク、たとえば、「3時間店先に立って接客のアルバイトをする」というタスクに、成果物はあるのでしょうか?
一見すると、仕様書、設計書、料理、絵画などの成果物は発生しないように思えますね。
ということは、タスクの中には、成果物があるタスクと、成果物の無いタスクの2種類があるのでしょうか?
例を挙げて考えてみましょう。

Aさんは商店街の個人商店で接客のアルバイトをしています。
時給は900円で、週に何度か店先に立って14時から17時までの3時間働きます。
その日の仕事が終わると、店主のおじいさんが「はい、今日は3時間働いたから2700円だね」と、バイト代を手渡してくれます。

このケースでは「3時間店先に立って接客のアルバイトをする」というタスクに対して、その結果生まれる成果物は無いように思えますね。
しかし、成果物が無いと困ることがあります。

成果物が無いと困ること

それは「3時間店先に立ってアルバイトをした」というタスクを証明するものが何も無いということです。
Aさんは長年このお店で働いているので、店主との信頼関係をもとに、3時間働いたことを信じてもらうことができました。
ところが、もし店主のおじいさんの物忘れがひどくなり、「おや、今日は16時まで来なかったじゃないか。お給料は1時間分の900円だね」と言い出したら、Aさんはどうやって3時間働いたことを証明すればよいのでしょう?
Aさんが「いや、私は14時から17時までの3時間働きましたよ」といくら言ったところで、本当に3時間働いたことを証明するのは困難です。
同様に、働いているのがAさんではなく、まだ信頼関係のできていない新米アルバイトだったら、店主はどうやって3時間働いたことを確認すればよいのでしょう?
店主も付きっきりで新米アルバイトを見守り、3時間働いたことをその目で確認しなければならないのでしょうか。

店主が少し忘れっぽくなっても、アルバイトとの信頼関係が少し足りなくても、付きっきりで見守らずに「3時間働いた」ことを証明してもらうためには、一体どうすればよいのでしょう?

成果物は「タスクの証拠」にもなる

このような場合、「タイムカード」「出勤・退勤簿」「業務日誌」など、何かしらの成果物を残すことで、「3時間働いた」というタスクを証明することができるのではないでしょうか。
タイムカードに出勤時刻と退勤時刻が記録してあれば、店主はそのタイムカードを見て、Aさんや新米アルバイトが3時間働いていたことを確認できます。
あるいは、Aさんが働いている間に磨いたお店の什器や、検品して値札をつけた商品などがあれば、成果物として「これだけ働きましたよ」と証明することができそうですね。

このように成果物は「タスクを証明する」という重要な役割も担うのです。

タスクには必ず成果物がある

「ものを作る」というタスクの成果として「もの(成果物)」ができるのは、イメージがつかみやすいと思います。
成果物を作るのが目的で、タスクはその手段だからです。

一方で、Aさんのアルバイトのように「ものを作る」以外のタスクは、成果物を作ることが目的ではないのですが、成果物が無いとタスクを実行したことが証明できません。
そこで「ものを作る」以外のタスクにも、タスクの証拠=成果物が必要となるのです。

Aさんと店主の例では、信頼関係を理由に成果物を省いていました。
しかし、ひとたび信頼が無くなったり、物忘れにより正確に記憶ができなくなったりした場合には、証拠が無ければ「3時間働きました!」ということを証明するのは困難です。
そのような事態を避けるためにも、本来すべてのタスクには、目的が「ものを作る」ことかそれ以外かに関わらず、タスクの成果・証拠としての成果物が必要である、と言えるのではないでしょうか。

まとめ

成果物とは、タスクの成果・タスクの証拠のこと。すべてのタスクには必ず成果物がある。

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