課題管理ってなんだろう?」のエントリーでは、課題管理とは「課題の発見から解決までをコントロールすること」というお話をしました。

今回は、課題を管理するための具体的なプロセスの1つ目、課題の発見についてお話しします。

それって課題? リスク? タスク?

マネジメントの現場では、よく「課題」と「リスク」「タスク」が混在して管理されています。
解決すべき課題を的確に把握しないと、不要な作業や心配事ばかりが増え、目的を達成することが難しくなってしまいます。
混在する事象の中から、課題を特定する

課題とは「課題ってなんだろう?」のエントリーでお話しした通り、「すでに起きている(顕在化している)」こと、かつ、目的達成のために「解決しなければならない事象」のこと。
課題管理の第一歩は、さまざまな事象の中から「課題」だけを発見することです。

混在する事象から「課題」を見つけよう

たとえば、以前のエントリーでも登場した売上が伸び悩むレストラン。

このレストランでは、シェフとしてキッチンを切り盛りしていた父親がある日突然体調を崩してしまい、短くとも1年間は入院することになっていまいました。
息子がお店を任されて三カ月がたちますが、看板シェフの不在に加え、近隣に安さがウリのチェーンレストランが出店してきたこともあり、売上が急激に落ち込んでいます。
人件費や材料費などの経費見直しも行いましたが、それではとても間に合わないほどに厳しい状況です。
それどころか、人件費の削減によって店員のモチベーションが下がってしまい、お店には以前のような活気は見られません。
息子は、父親が回復してキッチンへ戻ってくる日までに、お客さんがあふれ、従業員も笑顔で働く環境を取り戻したいと願っています。
そのためには何よりも、売上を伸ばすことが先決です。

レストランの売上を伸ばすため何をどうすればいいのか? と考えるオーナーの頭には、さまざまな事象が浮かぶことでしょう。

1.知る人ぞ知る店なので、チェーン店に比べて周囲のオフィス街での知名度が低い。
2.チェーン店に対抗できるような、ワンコインメニューや、ボリュームのあるメニューがない。
3.もしうちの店にミシュランの調査員が来て「全然おいしくない!」と言われたらどうしよう…!
4.従業員に残業代が出せないので、定時で仕事を終えるよう指導する必要があるが、そうするとサービス残業をする人が出るかもしれない。

すでに起きているか? 解決しなければならないことか?

上の4つの事象を、ひとつひとつ見ていきましょう。

1と2は、今すでに起きていて、目的達成(レストランの売上を伸ばす)のために解決が必要な事象なので、課題であるといえますね。

では3はどうでしょうか?
ミシュランの調査員が来るかも、というのは、オーナーの勝手な想像であり、まだ起こっていないこと(リスク)です。
起こるかどうかわからない事象のために解決策を考えるのは、今やらなければいけないことでしょうか?
少なくとも、すでに起きている事象の1と2に比べると、解決の優先順位は低いと言えますよね。

4はどうでしょう?
「従業員に残業代が出せない」という事象は、すでに起こっていて解決が必要なことなので、課題であるといえますね。
「定時で仕事を終えるよう指導する」というのは、課題を解決するために必要なタスク(作業)です。
しかし「サービス残業をする人が出るかもしれない」というのは、3と同じくオーナーの想像であり、まだ起こっていない事象です。
ですから、4には課題、タスク、リスクの三つの事象が混在していることになります。
課題だけを特定すると「従業員に残業代が出せない」という事象が浮かび上がります。

課題を見つけることが、課題管理のはじめの一歩

こうして、「すでに起きていて」「解決しなければならない」こと、つまり課題を発見することができました。
リスクやタスクと課題とを切り分けることで、課題の輪郭がくっきりとして、より課題を発見するイメージが具体化したのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

課題管理の残りのプロセスは以下の4つです。
ぜひ最後まで読んで、明日から使える課題管理のキホンを身につけてくださいね。

まとめ

課題の発見とは、混在する事象を「リスク」「課題」「タスク」に切り分けて、解決すべき事象を特定することである。

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