リスクってなんだろう?
「リスク管理の甘さが問われる」
「リスク回避の動き」
「リスクに備える」
…など、ニュースなどでよく耳にする「リスク」という言葉。
辞書では以下のように説明されています。
1 危険。危険度。また、結果を予測できる度合い。予想通りにいかない可能性。「―を伴う」「―の大きい事業」「資産を分散投資して―の低減を図る」2 保険で、損害を受ける可能性。(出典:デジタル大辞泉)
一般的に、リスクとは「危険」の英訳だと捉えられているのではないでしょうか。
では、「危険」とは何でしょう?
こちらも辞書を引いてみましょう。
1 あぶないこと。生命や身体の損害、事故・災害などが生じる可能性のあること。また、そのさま。「身に―が迫る」「高所での―な作業」⇔安全。
2 悪い結果を招く可能性があること。また、そのさま。「国際的に孤立する―がある」「―な賭(か)けに出る」
(出典:デジタル大辞泉)
「可能性のあること」という説明から、リスク(危険)とは、潜在的なこと、まだ起きていないこと、ということが言えそうです。
リスク=まだ起きていないこと
Think! MANAGEMENT.がマネジメントのツボだと考える課題管理においても、リスクは重要な要素です。
私たちは、リスクとは「現時点では潜在的で、未来のある時点で顕在化した時に解決が必要となる事象のこと」であると考えています。
以前、「課題とは、既に顕在化している解決すべき事象である」というお話をしました。
リスクが「顕在化した時に解決が必要になる」というのは、つまり「課題になる」ということです。
課題とリスクの関係を図に表すと以下のようになります。
課題とリスクの違いは「解決すべきタイミング」
「課題ってなんだろう?」で挙げた例をもとに、課題とリスクの違いを見ていきましょう。
- 今日の夕ご飯はオムレツを作りたいが卵が無い。(今起きていて、解決が必要→課題)
- オムレツを作るために卵を2つ買ってきたが、作っている途中で床に落としてしまうかもしれない。(まだ起きていないが、起こったら解決が必要→リスク)
- 最近顔にシミ・シワが増えてきた。(今起きていて、解決が必要→課題)
- 今年の夏は紫外線が強いので、顔にシミ・シワが増えるかもしれない。(まだ起きていないが、起こったら解決が必要→リスク)
- 健康診断で「メタボ」と診断されてしまった。(今起きていて、解決が必要→課題)
- 最近運動していないので、健康診断で「メタボ」と診断されるかもしれない。(まだ起きていないが、起こったら解決が必要→リスク)
このように、課題とリスクはともに解決が必要な事象ですが、解決すべきタイミングが大きく異なります。
課題はすでに起こっていることなので回避することができませんが、リスクは回避することが可能である、という点も、大きな違いでしょう。
つまり、リスクは、その事象が起こらない限りは解決の必要がない、と言うこともできます。
このように、リスクと課題との違いを明確にすることは、解決すべき事象の優先順位を考えるためにとても有効です。
今起こっていることと、これから起こるかもしれないことを天秤にかけた場合、先に解決すべきなのは今起こっていること、つまり課題であることが明白になるからです。
だからといって、リスクに対して何もしなくて良い、というわけではもちろんありません。
世の中には、リスクを過小に見積もったり、適切なリスク対策を立てていなかったために起こった痛ましい事故がたくさんあります。
リスクとどう接していくべきか、具体的なリスク監視のプロセスは、追ってお話ししたいと思っています。
まとめ
リスクとは、現時点では潜在的で、顕在化した時に解決が必要となる事象である
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