プロジェクトや日々の業務を円滑にするために、課題は効率的に発見し、解決したいものです。そのためには、課題の全体像を見渡した上で、優先度の高い順に解決すべき課題を選択する必要があります。ここでは、課題マップを使った効率的な課題の洗い出し方をご説明します。

課題マップを使って課題の全体像を把握しよう

課題マップとは、フレームワークに沿って課題をマッピングし、課題の全体像を把握するために用いるツールです。目についた課題をやみくもに解決していくのではなく、課題マップを使って全体像を洗い出し、優先順位が決まってから解決策を実行することで、厳しい期限のプロジェクトでも目的に到達することを可能にします。

「カテゴリ(縦軸)」と「時系列(横軸)」の2軸を設定する

課題マップでは、「カテゴリ(縦軸)」と「時系列(横軸)」の2軸を使って課題を洗い出します。縦軸には業務やマネジメントのカテゴリを、横軸には業務内容をフェーズごとに時系列に並べることで、課題の全体像をを把握するためのフレームワークを作り、もれなくダブりなく課題を洗い出すことができます。
課題マップの時系列とカテゴリ
ここで、リクルーティング業務の改善プロジェクトを例に挙げてみましょう。まず、このたびのリクルーティングでは採用人数をどれくらいの規模にするのか、プロジェクトの目的を置きます。目的を明らかにしたら縦軸に、

  • 業務自体のカテゴリ
    • ホームページ
    • イベント運営
    • 学生対応
    • 大学対応
  • マネジメントのカテゴリ
    • 目標
    • 予算
    • スケジュール
    • リスク

を設定します。

横軸には業務運営のフェーズを時系列で

    • 採用準備
    • 募集
    • 選考
    • 内定者フォロー

と設定します。

上記のように業務のカテゴリの洗い出しが難しい場合には、部署ごと・担当ごとで分けたり、マネジメントの課題・成果物・品質・スコープといった機能別の枠で洗い出したりすることも可能です。ただし、世の中にあるカテゴリ分けのフレームワークをを参考にする時は注意が必要です。例えばカテゴリをQCDで切ると、品質コスト、期限の課題はたくさん出て来るものの、それ以外の、体制やコミュニケーション能力についてなどがすっぽり抜けてしまうことがあります。

また、横軸を引く際にフェーズがどうしても思いつかない場合には、例えばものづくりの現場では「要件定義、設計、製造、テスト」、新規事業立案などの場合は「リサーチ、分析、設計、実行」などの一般的なプロセスを参考にしましょう。

フェーズから引く課題マップのつくり方

縦軸・横軸を設定するに当たっては、次のような方法もあります。時系列に挙げた各フェーズでそれぞれ課題を10個以上洗い出し、似通ったものをグループ分けします。このように、課題をグループごとに分けると、縦軸に置くべきカテゴリが徐々に明らかになっていきます。そこで、例えば品質というカテゴリが見つかったら、次に予算のカテゴリが足りない、体制の話が足りないというふうにカテゴリをもれなくだぶりなく、MECEに洗い出します。

フェーズとカテゴリを洗い出したら、縦軸・横軸で両者が交わるすべてのマスを、1つ以上の課題で埋めていきます。例えば「準備」フェーズと「予算」カテゴリの交わるマスになにも課題がなく空白であるという状態は避け、詳しい人へのヒアリングや本で調べるなどの方法で空白がない表を目指します。

こうして作成した課題マップを見渡したとき、「このフェーズのこのカテゴリは課題が1つもないが、このフェーズのこのカテゴリではものすごく課題がたくさん出ている」という偏りが発生している場合には、フェーズの分け方かカテゴリの切り方が適切でない可能性があります。

例えば、前述のリクルーティングの業務改善の例で、各カテゴリの各フェーズには平均して3,4つの課題しか挙がっていないにもかかわらず、大学対応のカテゴリの準備フェーズのみ課題が10個と突出して多いような場合は、カテゴリの切り方が細かすぎる、フェーズの分け方が適切でないといった原因が考えられます。そこで、このカテゴリをもう少し細分化して、国内の大学対応と国外の大学対応の2つに分けて課題を分散するといった調整をしてみると、さらに全体像が把握しやすくなります。

なお、フェーズとカテゴリはそれぞれ4~8個、多くても12個くらいが目安です。なぜなら、カテゴリが多すぎると課題の内容が細かくなりすぎてしまい、重要な課題を見逃してしまう恐れがあるから。一方で、カテゴリが少なすぎると近視眼的になりやすく、重要なカテゴリやフェーズを見落としがちになってしまいます。特定のカテゴリやフェーズ内の課題がすっぽりと抜け落ちてしまうことを防ぐためにも、その数を適正に保てるとよいですね。

課題全体から優先順位の高い課題を選択して解決しよう

上記のように、課題マップで課題を網羅的に洗い出し、「課題の全体像の合意」をしたら、その中から影響の大きい課題を選択し、「課題の優先順位の合意」をします。これは、重要度・影響度の大きい課題から先に解決することで、プロジェクトの目的達成に近づくためです。

上記のリクルーティングの業務改善の例でいえば、課題の全体像の中から、「採用目標人数が合意できていない」「全体予算が確定できていない」など、プロジェクトの中で重要度や影響度が高い課題を選択し、解決します。

なお、課題の優先順位が決まったら優先順位の高いものだけをピックアップして課題管理表に転記することで、プロジェクトの課題管理を効率的に行うことができます。

課題の洗い出しをスムーズに進めるには

課題の洗い出しに関する一連の流れをスムーズに行うには、まず、業務を把握しているリーダーにプロセスや時系列など軸となる部分を決定し、それぞれの課題をグルーピングするところまでを委ねます。その後、中身の課題の洗い出しや課題管理表への転記をメンバー全員で行うと、課題の洗い出しが円滑になります。

これをリクルーティングの業務改善で説明すると、リーダーが「ホームページ」「イベント運営」「学生対応」「大学対応」といった対象業務の課題や、「目標」「予算」「スケジュール」「リスク」など「マネジメントの課題」、そして、準備~フォローまでの時系列の軸を決定し、課題をグルーピングするところまでを行います。それをもとに、担当となったメンバー全員で中身の課題の洗い出し、課題管理表への転記をすることで、課題の洗い出しがスムーズに行えます。

また、フェーズやカテゴリが決まっていない状態で会議をはじめるととても時間がかかるので、事前に軸だけは決め、それをもとにメンバー間で課題を出し合って優先順位を決め、担当を決めるというところまでできれば、一番効率の良い時間の使い方ができます。その会議体でどの課題が優先順位高く、誰が担当するかまで決められるとベストですね。

まとめ

  • 課題マップを使用することで、課題の全体像を把握しやすくなる
  • 課題を洗い出したら影響範囲の大きなものから優先順位をつける
  • 解決すべき課題が決まったら課題管理表に転記して管理する

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