「課題管理」「成果物管理」と並んで、プロジェクトマネジメントに欠かせない機能が「スケジュール管理」です。

スケジュール管理を分解すると、「スケジュールを立てる」ことと、「立てたスケジュール通りに進むよう管理する」ことの2つに分かれます。
2つ目の「立てたスケジュール通りに進むよう管理する」ことを、「進捗管理」と呼ぶこともあります。

「進捗どうですか?」の進捗って何?

「進捗」を辞書で調べると、このように書いてあります。

[名](スル)物事がはかどること。「工事の―状況」「仕事が―する」
(出典:デジタル大辞泉

「進捗どうですか?」と聞かれたら、それは「どれくらいはかどってますか? どれくらい進んでますか?」という意味です。

また、「進捗管理」を辞書で調べると、このように書いてあります。

業務の進捗状況を管理すること。たとえば、システム開発の進捗管理の場合、設計、プログラミングなどの作業工程ごとに行われる。その際、アローダイアグラム、ガントチャートなどを用いて図式化すると、問題点や作業状態を視覚的に把握できるようになる。
(出典:ASCII.jpデジタル用語辞典

つまり、進捗管理とは、「物事がどれくらいはかどっているかを管理すること」のようです。
物事が計画通り進んでいるのか、遅れているのか、前倒しで終わっているのか、といった状況を把握して、適宜調整を行うことが進捗管理の主な機能です。

また、まだ終わっていない物事について、どれくらい進んでいるのかを確かめることを「進捗をはかる」と言ったりします。
進み具合は「進捗率10%」「進捗率70%」など、進捗率で表すこともあります。

進捗をはかるためには、基準が必要

皆さんは、進捗をどうやってはかっているでしょうか?

よくあるのが「個人の感覚ではかる」というもの。
しかし、このやり方には問題があります。
その問題とは、人によって進み具合のとらえ方が違う、ということです。
人によってとらえ方が違うと、実際の進み具合とのブレが大きくなったり、他の人から見てどれくらい進んでいるのか的確に把握することが困難になってしまいます。

皆さんの中には、「進捗90%」のままいつまでも完了しないタスクがある、といった状況を経験したり、耳にしたおぼえのある方がいるかもしれません、
「とりあえず手はつけたけど、まだ完了していない」という状況は、個人の感覚次第で進捗率が「1%」とも「99%」とも、なんとでも表現することができてしまいます。
そのため、「とりあえず90%」という状態が長く続き、いつまでもタスクが完了する目途が立たない、ということになるのではないでしょうか。

進捗をはかるためには、どうやら、個人の感覚に頼らない、他人とも共有できる基準があった方がよさそうです。
では、進捗をはかるのに適した基準とは何でしょう?

時間を基準にすると……

「完了まであと何日」など、時間を基準にするのはどうでしょう。
時間は誰がはかっても同じなので、個人の感覚に頼るよりも的確だと言えるかもしれません。

しかし、時間と進捗が必ずしも比例するとは限りません。
たとえば、ベテランのAさんなら3日で終わるタスクが、新人のBさんだと5日かかる、という場合。
Aさんは3日目で進捗率100%ですが、Bさんは3日目でまだ進捗率60%です。
担当する人によって、時間と進捗の関係が変わってしまいますね。
また、同じ人が作業をする場合でも、今日完了まで2時間かかったタスクを翌日同じようにこなそうとしたら、かかる時間は同じでしょうか?
一度作業してコツをつかんだ分、2時間よりも少しだけ早く終えられる可能性が高いように思います。
反対に、ちょっと体調が悪い時、気分が乗らない時など、普段こなしているタスクなのに完了までいつもよりも時間がかかってしまった、という経験はないでしょうか。
同じ人が同じタスクを担当しても、ちょっとしたコンディションの違いで、時間と進捗の関係にズレが出てしまうのです。
これでは、誰が見ても同じ基準とはいえ、的確に進捗をはかることが難しいのではないでしょうか。

個人の感覚や時間では無く、誰が見ても明らかで、物事の進み具合が的確にわかる基準が必要です。
では、何を基準にすれば、的確に進捗をはかることができるのでしょうか?

目に見える基準=成果物

進捗をはかるためのベストな基準について考える前に、一度、進捗をはかる目的に立ち返ってみましょう。
進捗率100%になるということは、どういうことでしょうか?
「進捗率100%」とは、そのタスクが完了したことを意味します。
そして、すべてのタスクには、そのタスクを証明する成果物があるはずです。
つまり、進捗率100%になると、何らかの成果物が出来上がるのです。
進捗とは「成果物の完成にどれくらい近づいているか」だと言えるのではないでしょうか。

ということは、「成果物」で進捗をはかるのが一番確実そうです。
企画書10ページのうち3ページができ上ったら、進捗率は30%。
洗濯物20枚のうち10枚がたたみ終わったら、進捗率は50%、という具合です。
「まずは企画書の目次を作る」「企画内容を具体的に書けるところからとにかく書く」など、作業の順番は人によって異なりますが、成果物で進捗をはかるやり方なら、その作業の順番に関わらず目に見えるものだけを比べればよいため基準が明らかです。
これなら進み具合を的確にとらえることができるので、人によってとらえ方にブレが出ることはありませんし、他人も把握しやすくなりますね。
進捗は成果物を基準にはかる

ページによって重み付けする

成果物で進捗をはかる、というと
「10ページのうち、すぐに書きあがるページもあれば、時間のかかるページもある。
1ページにかかる時間や労力が違うのに、同じ“進捗10%”としてカウントされるのは納得がいかない」
と思う方がいるかもしれません。
仰る通り、すべてのページが同じ時間や労力でできるわけではありませんので、その場合はある程度の重み付けが必要です。
「表紙はすぐにできるから0.5ページ分、最後のまとめはじっくり考えてからでないと書けないから2ページ分として進捗をカウントする」
など、あらかじめ重み付けをし、関係者と共有しておくことで、その後の進捗管理がスムーズになります。

成果物完成までのステータスではかる方法も

また、1ページだけの企画書を作る場合など、ページ数や量で進捗を把握することが難しい場合には、完成までのステータスで進捗を把握する方法もあります。
たとえばこんな感じです。

  • 着手 10%
  • 作成中 30%
  • 承認待ち 50%
  • 承認後修正 70%
  • 完了 100%

いずれにしても進捗をはかる時に大切なのは、「成果物を意識する」ということ。
どんなタスクでも成果物さえ意識していれば、的確に進捗をはかり、関係者間で共有することができるのではないでしょうか。

まとめ

進捗を個人の感覚や時間ではかるとブレがある。
的確に進捗をはかるためには「成果物」を基準にする。

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