ここまで、「課題の発見」「課題の共有」「課題の合意」と、順を追って課題管理のプロセスをご紹介してきました。
さて、混在する事象の中から課題を発見・共有し、内容を合意しさえすれば、放っておけば誰かがいつの間にか解決してくれるものでしょうか?
そんな魔法のようなことが起これば良いのですが、現実はそうはいきませんね。
この後は課題を解決するための具体的な行動に移りましょう。

まずは、課題の解決策を考え、「誰が」「いつまでに」解決するのか、担当と期限を決める必要があります。
それが課題管理の四つ目のプロセス、「課題のタスク化」です。

課題のタスク化とは

課題のタスク化とは、課題の解決策を一人で解決可能な単位まで分解して、担当と期限を割り振ること。
イメージとしては、課題管理表で一覧にした課題の中身を、ToDoリストに反映するような感じです。
タスクについて詳しく知りたい方は「タスクってなんだろう?」の記事をおさらいしてみてくださいね。

課題の解決策が一人ではとても手に負えない場合は、一人でできる単位まで分解する必要があります。
人手が足りなければ、一人あたりの作業が適切な量になるまで、担当者を増やさなければならないからです。

では例を挙げて、課題をタスク化する様子を具体的に見ていきましょう。

例:餃子パーティーの作業分担

仲間30人で集まってホームパーティーをすることになりました。
みんなで食材を持ち寄って、餃子を30人分作って食べよう! という趣向です。
しかしこれだけの人数でこれだけの数の餃子を作るのは初めてです。
そこで、いくつかの課題が浮かびました。

<課題1>
・30人分の餃子の材料が揃っていない

<課題2>
・30人分もの数の餃子を調理する方法がわからない

課題が明らかになったら、関係者全員でこの課題の内容と優先順位に関する全員の認識を合わせましょう。
一口に「30人分の餃子」と言っても、一体どれくらいの材料を、何人で分担して買いに行けばよいのか?
それを決めて材料を揃えないことには、調理にとりかかることができません。
そして、調理の前には、大量の餃子を一気に焼き上げるための調理方法を考える必要があります。

さて、これらの課題を解決するためには、どんな解決策が必要でしょうか?

一つ目の課題「30人分の餃子の材料が揃っていない」について、考えてみましょう。
どうやら以下の2つのステップが必要になりそうです。

<解決策1-1>
餃子30人分を作るために必要な材料とその量を調べる

<解決策1-2>
餃子30人分の材料を買いに行く

一つ目の解決策「餃子30人分を作るために必要な材料とその量を調べる」は、料理に詳しいAさんが一人で担当することになりました。
この場合は、解決策に担当と期限を割り振ればタスク化完了です。

<タスク1-1-1>
餃子30人分を作るために必要な材料とその量を調べる
担当:Aさん 期限:パーティー当日の16時まで

Aさんが調べたところ、餃子を1人12個食べるとして、30人分を作るためには360個分、以下の材料が必要なことがわかりました。
・餃子の皮 360枚
・キャベツ 3玉
・ニラ 6把
・豚ひき肉 3.6kg
・しょうが 1個
・にんにく 1個
調味料は、Aさんの家にあるものでなんとかなりそうです。

では、二つ目の解決策「餃子30人分の材料を買いに行く」はどうでしょう。
これだけの材料を買ってくるとなると、とても一人では無理ですね。
それでは、タスク、すなわち、一人で解決できる作業に分担していきましょう。

<タスク1-2-1>
餃子の皮を360枚買う
担当:Bさん 期限:パーティー当日の17時まで

<タスク1-2-2>
キャベツを1玉買う
担当:Cさん 期限:パーティー当日の17時まで

<タスク1-2-3>
キャベツを1玉買う
担当:Dさん 期限:パーティー当日の17時まで

<タスク1-2-4>
キャベツを1玉買う
担当:Eさん 期限:パーティー当日の17時まで

<タスク1-2-5>
ニラを6把買う
担当:Fさん 期限:パーティー当日の17時まで

<タスク1-2-6>
豚ひき肉を1kg買う
担当:Gさん 期限:パーティー当日の17時まで

<タスク1-2-7>
豚ひき肉を1kg買う
担当:Hさん 期限:パーティー当日の17時まで

<タスク1-2-8>
豚ひき肉を1kg買う
担当:Iさん 期限:パーティー当日の17時まで

<タスク1-2-9>
豚ひき肉を600g買う
期限:Jさん パーティー当日の17時まで

<タスク1-2-10>
しょうがとにんにくを買う
担当:Kさん 期限:パーティー当日の17時まで

課題のタスク化
餃子360個分の材料を一人で揃えるのは大変です。
そこで、10人にそれぞれ「○○を買う」という作業を振り分けました。
また、キャベツ3玉を一人で運ぶのは重くて大変なため、三人で1玉ずつ購入することにしました。
同じように、豚ひき肉も量が多いため、複数の人に分担しています。

このように、1つの課題に対して解決策は1つ~複数、さらに1つの解決策に対してタスクは1つ~複数、という関係に枝分かれしていきます。
課題から解決策、解決策からタスク、とより細かく分解し、その中身をより具体的にすることが、課題をタスク化する目的です。
やることが明確になっていると、あとはそれを一つ一つ片付けていけば、おのずと課題が解決できそうですよね。

また、課題のタスク化は、スケジュールを立てるためにも有効です。
「餃子を作る」という大きな単位よりも「キャベツを買う」という小さな単位の方が、作業にどれくらいの時間がかかりそうか、想像しやすいですよね。
課題を見える化することで見えてきた目的までの道のりが、タスク化によってよりはっきりとつかめるのではないでしょうか。

タスクを共有・合意する

課題の共有・合意と同じく、タスクについても、関係する全員の認識を合わせることが大切です。
十分な説明がないままタスクを割り振ってしまうと、メンバーによって自分の受け持つ範囲の認識に違いがあり、作業にダブりや抜け漏れが出てしまうかもしれません。
上に挙げた例の中で、Cさん、Dさん、Eさん、Fさんに「野菜を買ってくる」というあいまいなタスクが割り振られたとしたら、全員がニラを買ってきてしまう可能性があります。
また、Gさんに「豚肉を買ってきて」とだけ指示が出ていたとしたら、かたまり肉を買ってきてしまう可能性もありますし、量が足りなかったり、逆に多すぎる場合が考えられます。

ここまで読んだみなさんなら、二つ目の課題「30人分もの数の餃子を調理する方法がわからない」をどうタスク化するのか、想像がつきますよね。
野菜を切るのは誰に振り分けようか、餃子を包む作業は大変だから全員で分担しよう、など、いろいろなシミュレーションを通して、課題のタスク化を実感していただけると嬉しいです。

こうして、課題解決のための具体的な行動にとりかかることができました。
この後に必要なことはなんでしょうか?
次回は課題解決に欠かせないもう一つのプロセス「課題の状態把握」をご紹介しますね。

まとめ

課題のタスク化とは、課題の解決策を一人で解決可能な単位まで分解し、担当と期限を決めることである。

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