TO DOリストだけでなく、課題管理表の共有が必要な2つの理由
Think! MANAGEMENT.では、課題管理についてこれでもか! というくらい解説しています。
(参考記事:課題管理ってなんだろう?)
課題管理の解説記事を読んだ方の中には、
「いちいち課題を共有するなんてまどろっこしい。要はTO DOリストでタスク管理ができていればいいんでしょ?」
と感じた方もいるかもしれません。
また、実際に課題管理表を使っているけれど、その中身は実質TO DOリストになっている、という方もいるでしょう。
どうして課題を共有するの?
タスクだけを共有するのではなく、課題も共有した方がよい理由は2つあります。
- タスクが完了しても、課題が解決しないことがあるから
- タスク担当者が的確に行動できるから
ひとつずつ見ていきましょう。
1.タスクが完了しても、課題が解決しないことがある
タスクだけでなく課題も共有するべき理由の1つめは、必ずしも「タスクの完了=課題の解決」ではない、ということです。
たとえば、今までに経験したことが無い課題にぶつかった時。
きっとこの作業を実行すれば解決するだろう、という仮説に基づいて、課題解決のためのタスクを洗い出すと思います。
ところが、タスクは完了したものの、思っていたよりも課題が根深かったり、作業そのものが見当違いだったりで、課題は解決しない場合があります。
このような場合、課題を共有せずタスクだけを共有していたら、「よし、タスク完了!」とTO DOリストが更新されておしまいになる可能性があります。
タスクの元になった課題はまだ解決していないのに、です。
こんな時に課題管理表で課題を共有していれば、「足りないタスク」「余計なタスク」を見つけたり、「よりベターなタスク」を考えることができます。
「足りないタスク」「余計なタスク」を考えられる
1つの課題に対して、タスク(解決策)は1つとは限りません。
実際には2つ以上ある場合の方が多いでしょう。(詳しくは『タスクってなんだろう?』の記事をどうぞ)
ということは、1つのタスクを完了しても、課題が解決するとは限りません。
タスクのもととなる課題を共有しておくことで、タスク完了時に「課題は解決しているか」を確認し、解決していなければ「足りないタスクは何か」を考えることができます。
反対に、タスクを洗い出す時に、課題解決に効果の無い「余計なタスクはないか」を考えることもできます。
「よりベターなタスク」を考えられる
先に説明したように、1人の頭の中で課題をいきなりタスク化してしまうと、考えたタスクが見当違いで、課題解決につながらないことがあります。
1人で考えるよりも、課題を共有して複数の人で解決策を考えた方が、よりベターなタスクが生まれる可能性が高まります。
「三人寄れば文殊の知恵」というわけですね。
2.タスク担当者が的確に行動できる
タスクだけでなく課題も共有するべき2つめの理由は、タスクを指示される側が的確に行動できる、ということ。
ただ「このタスクを実行して」と言われるよりも、「こういう課題があるから、このタスクを実行して」と言われた方が、目的がはっきりするのでより的確に動きやすい、というメリットがあります。
たとえば、あなたが上司に資料のコピーを頼まれる場面を想像してみてください。
ただ「この資料のコピーとって」と言われるよりも、「私は会議まで時間がとれないから、代わりにこの資料のコピーとって」と何のための作業なのかまで共有してもらった方が、目的が明確で、何よりも心理的に抵抗なく作業にとりかかれますよね。
TO DOリストでタスクだけ共有していると、タスクの担当者は「一体何のための作業なんだっけ?」と迷ってしまい、指示者が改めて説明しなければならない、ということもあると思います。
課題とタスクをセットで共有しておけばコミュニケーションが円滑になり、タスクを指示する側もされる側も効率が上がるのではないでしょうか。
「目的」は課題の解決、タスクは課題解決のための「手段」
課題とタスクの関係を整理すると、「課題解決」が目的で、「タスク」はあくまでも課題解決のための手段である、と言うことができます。
「目的」と「手段」を意識して、改めて課題管理表の共有が必要な理由を見直すと
- タスクが完了しても、課題が解決しないことがあるから
→タスクが完了しても、タスクの目的(課題の解決)を達成しないことがあるから - タスク担当者が的確に行動できるから
→タスクの目的(課題の解決)を、担当者に伝えることができるから
と言えるのではないでしょうか。
TO DOリストも大切ですが、普段から課題を共有する習慣がついていると、物事がぐんと前に進みます。
タスク管理は完璧なのに、どうもプロジェクトや仕事がうまくいかない……という人は、もしかしたら課題を共有できていないことが原因かもしれません。
特に今までに経験したことがない課題は、いきなりTO DOリストでタスクを共有するのではなく、必ず課題そのものを共有して、解決まで見守りましょう。
……とは言っても、課題管理って?
「課題管理表を使ったことがないんだけど、いいツールは無い?」
「そもそも課題管理ってどうやったらいいの?」
という方には、こんなWebサービスもありますよ。
課題管理からはじめるプロジェクトマネジメントWebサービス「TIMESLIST」
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