マネジメントはどこで生かせるんだろう?
以前、マネジメント対象の最小単位は課題であり、マネジメントは課題管理であるとお伝えしました。 しかし、本当にそう言い切れるの? と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。 世の中には「マネジメント」と名の付くものがたくさんあります。
たとえば、セルフマネジメントや組織マネジメント。 セルフマネジメントなら対象は自分自身、組織マネジメントならば組織全体を見る必要がありそうです。 全く規模が異なるように感じますが、この二つが本当に同じ「マネジメント」、すなわち「課題管理」なのでしょうか。
セルフマネジメントは、自分の「何」を管理する?
Weblio 辞書によると、セルフマネジメントとは「体調管理や作業の進行などを進めるために、自分自身を適切に抑制・管理すること」。 具体的にイメージされるのは、きっとこんなことでないでしょうか。
- 健康な体を維持するため、毎朝ジョギングをする
- 自分の仕事を時間通りに終えられるよう、段取りを立てる
- ストレスをためすぎないよう、適度にリフレッシュする時間をとる
どれも対象が自分自身であることは共通していますが、その中身は、体・仕事・心(ストレス)、とばらばらのようです。 もしかして、セルフマネジメントとは「自分自身に関わる全てを管理する」ということなのでしょうか……? 「全て」と言われてしまうと、範囲が広すぎて、初めてセルフマネジメントに取り組む人にとっては、どこから手をつけたらよいか見当もつきませんよね。 では、先に挙げた例を、体・仕事・心の「課題」に注目してみるとどうでしょうか。
- 運動量が不足しているので、健康な体が維持できない →毎朝ジョギングをする
- 自分の仕事を時間通りに終えられない →段取りを立てる
- ストレスがたまりすぎている →適度にリフレッシュする時間をとる
こうしてみると、先に挙げた例はどれも「課題」と「解決策」の組み合わせであることがわかります。 このようにセルフマネジメントとは、自分自身の「課題」を管理すること、と説明すると、少なくとも「自分自身に関わる全てを管理する」と言うよりもしっくりくるのではないでしょうか。
組織マネジメントは、組織の「課題」を管理する
- 社員の人数が増えて指導しきれないので、チームリーダーを任せられる人材を育成する
- 評価制度が実態と合わないため、新たな評価制度を策定する
- 会社の戦略を遂行しやすいように部署を統廃合する
人材、制度、組織の構造、と中身は異なりますが、どれも組織が対象です。 ここから「課題」と「解決策」を切り出すと、以下のようになりますね。
- 社員の人数が増えて指導しきれない →チームリーダーを任せられる人材を育成する
- 評価制度が実態と合わない →新たな評価制度を策定する
- 今の組織構造では会社の戦略が遂行できない →>部署を統廃合する
組織を動かす上で「課題」があるから、解決策を考える。 組織マネジメントもセルフマネジメントと同じように、組織の「課題」を管理している、と言えそうですね。
ほかにもいろいろ、「○○マネジメント」
セルフマネジメントや組織マネジメント以外の◯◯マネジメントも、すべて「課題」を管理しています。 いくつか例を挙げてみましょう。 ・タイムマネジメント 時間の課題を管理すること。 例)「旅行の準備をする時間が足りない」から、「いつもより2時間早く起きる」 ・アセットマネジメント 資産の課題を管理すること。 例)「将来社屋を建て直すお金がない」から、「改修工事をして今の社屋を長く使えるようにする」 ・カスタマーリレーションシップ‐マネジメント(CRM) 顧客との関係における課題を管理すること。 例)「顧客満足度が低い」から、「顧客に合わせたきめ細かいサービスを行う」 ・アンガーマネジメント 怒りやイライラの「課題」を管理すること。 例)「すぐにイライラして怒ってしまう」から、「イライラを収めるために深呼吸する」 いかがでしょう。 こうして分野の違うさまざまなマネジメントを見ていくと、どれも課題を見つけて解決する、という点は共通していることがわかりますね。 「マネジメント=課題管理」ということが納得できるのではないでしょうか。
まとめ
「マネジメント=課題管理」と捉えると、個人や組織に関わらず、さまざまな場面で生かすことができる