現場メンバーの能動性を引き出すコツ ~ マネジメント社・音羽のつぶやきから ~
この記事について
株式会社マネジメントの音羽のある日のfacebookから転載したものです。
今回は、マネジメント(課題管理)の専門家として企業をサポートする中で感じた「能動性」をめぐる問題について。 現場メンバーの能動性を引き出すために、音羽はどんなサポートを行ったのでしょうか?
ある日の音羽のfacebook
「能動性」と「受動性」をめぐる、経営者と従業員のすれ違い
従業員の「能動性の無さ」をなげく経営者と、会社の「従業員の能動性を削ぐ仕組み」をなげく従業員。
「能動性」はコンセンサスが取れているのに、組織の中で「受動性」が量産される。 企業から相談を受け、経営者と従業員の方の双方に話を聴くと、ほとんどの場合この2つの問題が根っこにある。 経営者は「意見を言ってこないから、俺が決めないと進まない」と思っているし、従業員は「何事もトップダウンで、意見を言ってもどうせ聞いてくれない」と思っている。
組織はこの状態で打開策がないと、膠着してしまう。内部で膠着してしまうと、外部の圧力か支援が必要になる。 ここからがプロジェクトファシリテーターの出番。
能動性の芽を引き出して「悩み」を「課題」に転換する
月1回、第三者の僕がファシリテートして従業員の課題を聴くミーティングを開催する。
最初は悩みや困っていることを聴いても出てこない。でも毎月続けると、毎月聴かれるのでバラパラと課題が出るようになってくる。これが能動性の芽生え。 この芽を潰さないように、経営者と従業員が一体になって、課題にコンセンサスを取り、対策にコンセンサスを取り、丁寧に育てていく。
経営者は、従業員から意見が出てこないという悩みを、「意見が出てくる仕組みがない」という課題に、転換する必要がある。トップダウンではなく、ボトムアップを意識しながら。
従業員は、経営者が意見を聴いてくれないという悩みを「意見が言いやすいオフィシャルの場がない」という課題に転換する必要がある。トップがどんな意見を求めるかを意識しながら。
大企業の部門内でもトップダウンになっていると同じことが起きているし、企業だけではなく社会活動でも、組織になると同じ問題で悩んでいることが多い。 それ以前に、そもそも、会議で何を話したら良いか分からないという場合がある。そういう場合は、困っていることや悩みを「課題」として提示すると、いきなり「意見」にはならないので、聴く方も受け入れやすい。
悩みや困っていることを能動的に話し合えて、解決できたことやその過程でみんなができることが増えていく。 前向きにできることが増えていくって豊かなことだと思うのです。
そのためには、相手の言っていることを受け取る・編集して自分の言葉にして伝える個人の考える力(ロジカルシンキング)と、問いと答えを切り分けて合意する・課題と解決策を別々に合意する合意形成の対人の力(ファシリテーション)をそれぞれ日々の暮らしの中で意識して、練習してみることから初めてみて小さな成功体験から初めてはどうか?と思います。