「Critical」を辞書で引くと「重大なさま、危機的」、「Pass」は「経路」と説明されています。“プロジェクト上のクリティカルパス”と聞けば、それだけでもプロジェクトに何か大きな影響を与えそうだぞ、という印象がありますね。今回は、クリティカルパスについてお話しします。

クリティカルパスとは、プロジェクトの中で「開始から終了までに最も長い時間を要するタスクの連なり」

プロジェクトのスケジュールをWBSなどのツールで作成し、タスクの前後関係をつなげたときに、開始から終了までに最も長い時間を要するタスクの連なりを「クリティカルパス」と呼びます。クリティカルパス上のタスクが遅れると、直接的にプロジェクトが遅延することが「クリティカル」と呼ばれる理由です。

クリティカルパスの見つけ方

クリティカルパスを見つけるにはまず、プロジェクトの目的を達成するために必要な成果物(アウトプット)を洗い出し、成果物同士の前後関係をつなぎます。
この成果物の前後関係の流れに沿ってタスクを洗い出すと、一連のタスクが終わるまでにかかる所要時間を見積もることができます。見積もった所要時間がプロジェクトの中で一番長い部分がクリティカルパスとなります。

これを、身近な例に置き換えて考えてみましょう。
あなたは毎朝9時に家を出なければいけません。そこで、アウトプットとして「家を出るまでに朝の身支度がどんな状態になっていなければならないか」をリストアップし、そのために必要なタスクを洗い出し、所要時間を見積もります。

  • 自分自身がメイクを終え、着替えて外出できる状態になっている → メイクをする、着替える(15分)
  • 家族が朝食を終えている → 主食・おかずをつくる、食器を出す、盛り付ける、後片付けをする(20分)
  • 洗濯ができている → 洗濯物を洗濯機に入れ、洗う、2回すすぐ、脱水する、干す(1時間)
  • 子ども着替えが終わり保育園または学校へ行く準備ができている → 子どもを着替えさせる(10分)

このようにアウトプットからタスクを洗い出し、所要時間を見積もると、一番時間がかかるのは洗濯であることが分かりました。つまり、クリティカルパスとなるのは「洗濯ができている」というアウトプットのために必要な一連のタスクです。
クリティカルパスは、洗濯のための一連のタスクの連なり

クリティカルパスを見つけたら

プロジェクト全体の所要時間はクリティカルパスよりも短縮することはできない

プロジェクト全体の所要時間はクリティカルパスよりも短縮することはできません。クリティカルパスの所要時間がプロジェクトの開始から期限よりも長くかかると見積もられた場合、クリティカルパスを短くするか、プロジェクトの期限を延ばすといった対応が必要となります。
また、クリティカルパス上のタスクが遅延すれば後続のタスクに影響を及ぼし、プロジェクト全体が遅延してしまいます。クリティカルパス上のタスクが遅延しそうなときにも、クリティカルパスを短くするか、プロジェクトの期限を延長するかの対応が必要です。

クリティカルパスを短くするには

プロジェクトのタスクには、「クリティカルパス上にあるタスク」と、「クリティカルパスに関係のないタスク」の2種類が存在します。
クリティカルパスを短くするためには、クリティカルパス上のタスクについて「スコープを絞る」「人を増やして作業時間を短縮する」といった対策を講じます。
逆に、クリティカルパスに関係のないタスクにかかる時間をどれだけ短くしても、プロジェクト全体の時間短縮にはつながりません。

朝の身支度の例の場合、「洗濯」のクリティカルパスを短縮するためは、すすぎを2回から1回にする(スコープを絞る)といった対策が考えられます。一方で「メイクをする」「子どもを着替えさせる」といった洗濯以外のタスクをどれだけ早く終わらせても、プロジェクトの終了(家を出る時間)を早めることはできません。

クリティカルパスに関係のないタスクを、クリティカルパスに合わせて調整する

「クリティカルパスに関係のないタスク」は、クリティカルパスに合わせて所要時間を調整することができます。
前述の朝の身支度の例では、あなたが朝9時に家を出るとしたら、クリティカルパスとなる「洗濯」は遅くとも8時に開始しなければいけません。一方で、メイクや着替え、朝食の時間をどれだけ短縮しても、洗濯が終わらなければ家を出ることはできませんので、洗濯以外のタスクが早く終わりそうならば朝食のおかずを1品足したり、いつもより念入りにメイクをする、といった調整ができます。

まとめ

  • クリティカルパスとは、プロジェクトの中で「開始から終了までに最も長い時間を要するタスクの連なり」である
  • クリティカルパスを見つけるには、プロジェクトの成果物の前後関係の流れに沿ってタスクを洗い出し、所要時間を見積もる。プロジェクトの中で見積もった所要時間が一番長い部分がクリティカルパスとなる
  • クリティカルパス上のタスクが遅延すると、プロジェクト全体が遅延する
  • プロジェクト全体の所要時間はクリティカルパスよりも短縮することはできない

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