ニュースを見ていると、「政治体制が…」「経営体制の見直しを…」というように「体制」という言葉をよく耳にします。それでは、プロジェクトマネジメントにおける「体制」とはどのようなものをいうのでしょうか。

体制とは「期限内に目的を達成するための役割を細分化し、それぞれの役割に人を割り当てたもの」

プロジェクトの目的を期限内に達成するために複数人でチームとなって活動する場合、誰がどの役割を担うかを決め、分担して作業する必要があります。このように、プロジェクトの「目的」から「役割」を洗い出し、それぞれの「役割」を人に割り当てたものを「体制」といいます。

ここで、日本と欧米における人事採用の手順の違いを例にみてみましょう。日本では、一般的に人を採用してから組織内での役割を決めます。一方で欧米では、会計の中でも「管理会計」「財務会計」、人事の中でも「採用」「人材育成」などさらに細かく業務内容を定義したうえで、その役割にフィットする人を採用します。つまり、欧米では採用後に体制を考えるという順番ではなく、採用前の段階で体制を意識しているということですね。

体制の作り方
プロジェクトの目的を期限内に達成するための「体制」について、もう少しかみくだいて説明しましょう。あなたは1年後に開催されるピアノコンクールで優勝をするという目標を掲げました。コンクールで優勝するという目的を果たすには、さまざまな人たちの助けが必要です。そこで、「ピアノコンクールで優勝する」という目的から役割を洗い出しました。

  • ピアノ演奏者(あなた)
  • 予算管理
  • 演奏者の指導
  • ピアノメンテナンス
  • 衣装担当

もしも1年後のコンクールのために海外留学や奨学金制度を利用するといったように、目的達成のために活動範囲をさらに広げるならば、

  • 留学エージェント
  • 奨学金を提供する機関との交渉係

などの役割も必要になるかもしれませんね。

こうして洗い出した役割に最適な人材を配置します。

  • ピアノ演奏者 → あなた
  • 予算管理 → 母
  • 演奏者の指導 → コーチAさん
  • ピアノメンテナンス → 調律師Bさん
  • 衣装担当→デザイナー → Cさん
  • 留学エージェント → エージェントDさん
  • 奨学金を提供する機関との交渉係 → Eさん

このように、プロジェクトを完遂するために目的から役割を洗い出し、その役割を人に割り当てることで「体制」ができあがります。

プロジェクト全体の時系列を考えて役割を割り当てる

ここまでプロジェクトマネジメントにおける「体制」について説明をしましたが、洗い出された役割に人的資源を配置する際にはプロジェクト全体を時系列でとらえて考えることが大切です。

例えば、Web制作のプロジェクトで上流工程のディレクターを任せたいAさんは、1ヶ月後に別のプロジェクトに入ることが決まっているとします。このような場合に、プロジェクトの最初の1ヶ月間をAさんに、残りの期間をBさんに引き継ぐというように、ディレクターという1つの役割を複数の時系列に分けて最適な人材を配置することがあります。

まとめ

  • 体制とは「期限内に目的を達成するための役割を細分化し、それぞれの役割に人を割り当てたもの」である。
  • 体制を作る際には、役割を定義してから、適した人を割り当てる。
  • 役割に人を割り当てる際には、プロジェクト全体を時系列でとらえて考える。