以前の記事では課題管理の一つ目のプロセス「課題の発見」についてお話ししました。

課題が特定できたら、解決に向けて、まず最初にするべきことは何でしょうか。
善は急げ! とばかりに、早く解決に向けて作業にとりかかりたい、と思う方もいるかもしれません。

課題解決にとりかかる前に・・・

しかし、解決を急いだために、かえって面倒なことが起こってしまう可能性もあります。
たとえばビジネスの現場で、個人が見つけた課題がチーム内に報告されず、後から発覚して深刻な事態になった経験はないでしょうか。

こういった事態はビジネスの現場に限ったことではありません。
身近な例を挙げてみましょう。

ここに両親と高校生の娘で暮らす3人家族がいます。
雨続きで数日間洗濯物が干せなかったため、洗濯かごには大量の洗濯物がたまっています。
今日になりやっと晴れたので、洗濯物をまとめて片づけたいところですが、いつも家事を受け持つ母はあいにく一日外出しなければならない用事があり、洗濯をすることができません。
そこで今日は、娘が洗濯をすることになりました。
娘は「私にまかせて!」と意気込み、たまった洗濯物を一度に全て洗濯機へほうり込みましたが、いざ洗いあがってみると、そこには大きな問題が……。
白い服と、色落ちしやすい黒い服とを全て一緒に洗濯したため、全ての服に色が移ってしまったのです。

さて、一体どうすれば、この事態を回避することができたのでしょうか?

課題を「見える化」し、見落としをなくす

この例では、娘が「白い服と色落ちしやすい黒い服とを分けて洗濯しないと色移りしてしまう」という課題を見落としていたために、問題が起こってしまいました。
では、どうして課題を見落としてしまったのでしょう?
それは、家事経験の少ない娘が、「色移りしてしまう」という課題の存在そのものに気付いていなかったからではないでしょうか。
この家族の例では、家事に詳しい母が「色移りしてしまう」という課題を共有し、娘に気付かせることが必要だった、と言えそうですね。

このように、関係者全員が抱える課題を明らかにする、すなわち、「見える化」することで、課題を共有し、課題の見落としが無いかを確認することができる、と私たちは考えています。
この家族の場合は、母から娘へメモを残す、母が外出先から娘へメールを送る、などの方法で課題を共有していれば、スムーズに課題が解決できたのではないでしょうか。

課題を共有するための「見える化」は、特にビジネスの現場で欠かせないプロセスだと言えます。
課題を口頭で共有するだけでは、後から言った・言わないのいさかいが起こる可能性があるためです。
「見える化」のための具体的なツールとしては、課題管理表が代表的です。
EXCELで表を作成してもよいですし、課題管理ができるオンラインのサービスを使ってみるのも一つの方法でしょう。

課題を「見える化」して見落としを無くす

「見える化」すると、課題の量がわかる

課題を「見える化」すると、見落としを無くすことにつながると同時に、現在どれくらいのボリュームの課題があるのか、課題の総量を明確にすることに役立ちます。

課題の量が目に見えるようになると、全て解決するまでにどれくらいかかるのか、つまり、目的までの道のりがあとどれくらいあるのかを、実感を伴ってつかむことができるのではないでしょうか。

例の家族の場合、全ての洗濯物を一度に洗えば1時間ほどで済みますが、白い服と黒い服とを2回に分けて洗うとなると、倍の2時間程度かかることになり、所要時間が大きく異なります。

このように、解決にかかる時間や労力、仕事の場合は工数を算出するためにも、課題を「見える化」して課題の全貌を把握することは、とても重要なプロセスだと言えそうです。

さて、全ての課題が明らかになったら、次は何をすればよいのでしょうか?
次のステップ「課題の合意」「課題のタスク化」「課題の状態把握」については、また別の記事でご紹介します。

まとめ

課題の「見える化」とは、課題を共有して、見落としを無くし全体把握をすることである

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