ロジカルシンキング(論理思考)ってなんだろう?
みなさんは人から「何を言いたいのかわからない。もっと論理的に説明して」と言われたことはないでしょうか。
逆に、人の話を聞いて「なんだか論理的じゃなくて、納得できないなぁ」と感じたことはないでしょうか。
ロジカルに考えることを「ロジカルシンキング(論理思考)」と言います。
ロジカルに考えるとはどういうことでしょう?
ロジカルに考えると、どんな良いことがあるのでしょうか?
ロジカルシンキング=難しい?
ロジカルシンキングに「理論をこねくりまわすこと」「なんだか小難しいやつ」という印象を持つ方もいるかもしれません。
しかし実際には、ロジカルシンキングには「複雑なものごとを整理してわかりやすくする」という効果があります。
具体的には、ロジカルシンキングを使うと、
- メインメッセージ
- 根拠
の2つがわかりやすくなります。
ひとつずつ見てみましょう。
「メインメッセージ」がわかりやすい
ロジカルシンキングの1つ目の効果は、「メインメッセージがわかりやすくなる」こと。
言いたいこと・伝えたいことが簡潔にまとまるのです。
メインメッセージをわかりやすくするコツは「問いを立てること」。
たとえば仕事の場面では
「上司に必ず報告すべきことは何か?」
「どんな風に指示をしたら仲間が適切に動いてくれるか?」
といった問いを使うと、情報を整理してわかりやすく伝えることができます。
例を挙げましょう。
あなたは部下2人に、職場の歓送迎会のお店をリサーチするよう指示しました。
次のAさんとBさんのうち、わかりやすいのはどちらでしょうか。
Aさん:
「歓送迎会のお店、いくつか調べてみました。まずは隣の駅にある××亭。ここはおいしいけどちょっと高いんですよねー。あとは○○屋。ここもおいしいです。値段も予算内におさまりますね。安さ重視なら□□食堂ですかね。料理はまぁ普通ですねー。あ、そういえばリストランテ△△は雰囲気がいいって評判ですね。あとは……」
Bさん:
「歓送迎会のお店、○○屋に決めようと思っているのですが、いかがでしょうか。○○屋がいいと思う理由は、料理がおいしいこと、予算内でおさまること、会社から近いので仕事で遅れてくる人も集まりやすいこと、の3つです」
Aさんは情報量が多く、たくさんリサーチしたことは伝わってきますが、「で、結局どこが一番おすすめなの?」と聞きたくなるのではないでしょうか?
それに比べてBさんは、おすすめのお店が明確です。
また、最初に一番聞きたいこと(どのお店が一番良いか)を言ってくれているので、話が早いですね。
AさんとBさんの違いは、あなたに報告する前に自分で「何を報告すれば歓送迎会のお店がスムーズに決まるのか?」「上司が一番聞きたいことは何か?」「どのお店にするのが一番良いか?」といった「問い」を立てたかどうか。
事前に「問い」を立て、その答えを考えることで、伝えたいことがまとまるのです。
「根拠」がわかりやすい
ロジカルシンキングのもう1つの効果は、「根拠がわかりやすくなる」こと。
そのためのコツの一つが、事実と感情を切り分けることです。
たとえば、洋服店で
「この服かわいいですよね! 長持ちしそうだし、私なら即買いですね!!」
とすすめてくれる店員さんと、
「この服おすすめですよ。ジーンズにもスカートにも合わせやすいし、日本製なので縫製もしっかりしています。モデルの○○さんも雑誌で着ていたものなんですよ」
とすすめてくれる店員さん、どちらの方がわかりやすく、説得力があるでしょう?
1人目の店員さんは「かわいい」「長持ちしそう」「私なら即買い」と感情的におすすめしてくれるのに対し、2人目の店員さんは「ジーンズにもスカートにも合わせやすい」「日本製なので縫製もしっかりしている」「モデルの○○さんが着ていた」と事実に基づいておすすめしてくれています。
1人目の店員さんはウマが合うお客さんには喜ばれるかもしれませんが、初めて入ったお店で服を買うなら、2人目の店員さんの方が信頼できるのではないでしょうか。
このように、事実と感情を切り分けると、どうしてこの服がおすすめなのか、根拠がわかりやすくなり、説得力が増すのです。
ほかにも、ロジカルシンキングを使うと、論理が飛躍せずに筋の通った説明ができたり、理由が一つのことに偏らないのでツッコまれにくくなったり、といった効果があります。
(これらの効果を生むためのコツについては、またの機会に詳しくご紹介したいと思います)
ロジカルに「考える」から、わかりやすい
どうしてロジカルに考えると、説得力があり、わかりやすいアウトプットが出せるのでしょうか。
それは、聞いたこと・読んだことなどの事実を頭の中で整理して、効率的に考えることができるからです。
聞いたこと・読んだことなどの「インプット」を、ロジカルシンキングで整理して、「問い」を立てて考える。
だから、話す・文章にまとめる、といった「アウトプット」がわかりやすく、説得力のあるものになるのです。
ロジカルシンキングはコツをつかめば誰にでも実践できます。
これからは、ロジカルシンキングの具体的なコツについてお話ししていきたいと思います。
まとめ
ロジカルシンキングとは、「わかりやすく」伝えるため・受け取るためのコツ。
ロジカルシンキングを使うと、インプットが整理され、考えがまとまり、わかりやすいアウトプットを生み出すことができる。