プロジェクトをスムーズに進めるには、チーム個々人が自分が担当する業務を着実にこなすことが大切です。そこで今回は「セルフマネジメント」について、必要なスキルとコツをご紹介します。

セルフマネジメントとは「限られた時間で状況に応じた成果を出すための課題を発見・解決できること」

セルフマネジメントとは、限られた時間で状況に応じた成果を出すための課題を自ら発見・解決できることをいいます。その成果を出すためにタスクをこなしたり、成果物をつくったり、自分で設定した成果を出すために課題を見つけて解決するというように、成果を出すために「できること」に応じてセルフマネジメントの段階が異なります。

段階別セルフマネジメント

セルフマネジメントには以下のような段階(レベル)があります。

「限られた時間で与えられたタスクをこなせる人」

セルフマネジメントの初歩の段階に挙げられるのが、「タスクを限られた時間でこなせる」という状態。上司など他の人から与えられたタスクを限られた時間内にこなすことができる人がこれに当たります。

例えば、ある資料をつくるための調査データを1週間以内に収集するというタスクが出されたら、それを期限内にこなせる人はセルフマネジメント初期段階です。

「限られた時間で成果を出すために必要な成果物とタスク(スケジュール)を考え、こなせる人」

初歩の次の段階は、「限られた時間で成果を出すために必要な成果物とタスクを自分で考え、こなせる人」。その成果物を作るためにはこのタスクが必要だというのを自ら組み立ててこなせると、初歩の次のステップにあるといえます。

ある資料を作るのに、調査データの収集、分析、資料への落とし込みというふうに自分でタスクを組み立てられるという人は、タスクだけ渡される人よりはセルフマネジメントのレベルが高いということになります。

「限られた時間で課題の発見ができる人」

セルフマネジメントの次の段階としては、タスクを組み立てこなすだけでなく、「限られた時間で課題の発見ができる人」が挙げられます。

例えば、ある資料をつくるためにここの部分が埋まってないのが課題である、ここが足りていないのが課題である、というように、何が課題なのかを発見できる人がセルフマネジメントの3段階目となります。

「限られた時間で課題の発見と、解決策の選択ができる人」

セルフマネジメントの4つ目の段階は、「限られた時間で課題の発見と、さらに解決策の選択ができる人」を指します。「課題解決の5つのプロセス」で解説したように、課題を発見し、解決策を選んで解決まで導くことができると、セルフマネジメントの段階としては上位といえます。

これまで挙げてきた資料づくりの例で見ると、「この課題を解決するにはこの資料が必要であるが、それを自分でつくるのは時間的に厳しいので◯◯さんと◯◯さんにお願いしよう」というように、に自ら課題を見つけ、解決策を選んで解決できる人がこれに当たります。

タスクをこなすスピードが速い=セルフマネジメント力が高い、ではない

実際の職場では、タスクワーカー(作業者)とイシューワーカー(課題解決者)は別であることが多く、最初はタスクをこなすタスクワーカーとして業務に携わるのが一般的です。上司などに言われたタスクをこなしていく中で、「こうすればもっと効率的になる」「資料の品質を上げるにはどうしたらよいだろうか」など、自分で課題を見つけられるようになるとセルフマネジメント力のレベルアップにつながります。

つまり、必ずしもものすごい速さでタスクをこなすことができる人=セルフマネジメントができている、というわけではなく、自分でどこが足りていないか課題を見つけて解決できるというスキルも、限られた時間で成果を出すためにセルフマネジメントには大切なことなのです。
「タスクをこなすスキル」「課題を発見・解決するスキル」どちらもセルフマネジメントに必要現できないのであれば、誰かに業務内容について相談したり、タスクの一部をお願いすることもセルフマネジメントの一環なのです。限られた時間内に自分で課題を見つけて解決する中で、それに必要な成果物やタスクについて、「これは人にお願いした方が速いだろう」「これは自分でやるべきだ」といった判断をくだせるのも、セルフマネジメントができている状態といえます。

セルフマネジメントのコツは?

前述の「自分1人で実現できないことは人に相談(依頼)する」のように、セルフマネジメントを適切に行うための「セルフマネジメントのコツ」を他にもご紹介します。ご参考になさってくださいね。

  • 1人で抱え込むと煮詰まってしまいます。成果物が完成するまでの途中経過を第三者にレビューしてもらう機会を予め設定しておきましょう。
  • 成果物をつくるときに時間に余裕がある場合には、その成果物ができたら1日寝かして翌日に自分でレビューをしてみましょう。
  • セルフマネジメントでは作業時間をコントロールすることも大切です。長時間同じ作業にだらだら取り組むのではなく2時間ごとに作業時間に区切りを設けるなど、集中できる時間配分で作業に取り組みましょう。
  • 自分のスケジュールを把握することで行き当たりばったりを防ぐことができます。前の週などにあらかじめ予定を立てて決められた時間で成果を出せるよう工夫をしましょう。
  • 限られた時間で成果に近づくには、上司やプロジェクトリーダーへの質問のしかたも大きなポイントになります。業務内容についての質問はあらかじめ要点を整理して。自身の答えを1つ以上用意したうで質問すると、お互いの時間をムダにすることがありません。

セルフマネジメントを具体例で見てみよう

ここまで、セルフマネジメントとはなにか、なにをもってセルフマネジメントができているといえるかをご説明してきました。それらを、具体例を挙げて詳しくみてみましょう。

Aさんはある会社で定常業務をこなしながら、社内の新規プロジェクトに参加することになりました。週1日程度、全体の約20%を新規プロジェクトの稼働率に当てなければなりません。

Aさんがセルフマネジメントの初歩の段階だった場合、週4日分の定常業務および週1日分の新規プロジェクトの業務も誰かが指示しなければいけなくなり、上に立つ人のマネジメントの手間が大きくなります。

それが、限られた時間で成果を出すために必要な成果物とタスクを考えこなせる人になると、「自分が週4日で定常業務をこなすためには、この業務について自分では手がまわらない」「だからこの成果物は後輩にお願いしよう」、週1日分の新規プロジェクトの業務は時間が限られているので、「プロジェクトに必要な資料は予め確認のスケジュールを設定しておいてプロジェクトメンバーに見てもらおう」、というようにタスクやスケジュールを自分で配分できるようになります。

もう一段階上がって、限られた時間で課題の発見ができる人になると、プロジェクトにおける課題を自ら発見できるようになります。例えば、新規プロジェクトで社内の業務改善をしたいのだが、どこに業務の改善ポイントがあるかわからないという場合に、「解決策として社内の主要メンバーにヒアリングをしよう」「既存の業務内容を調査しよう」など、課題に対する成果物としては調査結果、タスクとしてはメンバーの調整とヒアリングといった具合に組み立てられると、限られた時間で課題の発見と解決策の選択ができる段階といえます。

まとめ

  • セルフマネジメントとは「限られた時間で状況に応じた成果を出すための課題を発見・解決できること」
  • タスクをこなすスピードが速い=セルフマネジメントができているというわけではなく、自ら課題を見つけて解決できることもセルフマネジメントには大切である
  • 「課題の解決策を自分で実施する/しない」「人に相談・依頼する/しない」の判断もセルフマネジメントの一環である

あわせて読みたい

無料セミナーのお知らせ

6月15日(木)に課題管理無料セミナーを開催します。
興味のある方はぜひお申し込みください。